「え、それもDV？」夫婦間暴力について。
【配偶者からの暴力】
そう聞くと殴る、蹴るなどの
バイオレンスな状況を思い浮かべるかもしれませんが、
暴力と言うのは私たちの身近にある行動かもしれません。
平成13年に配偶者暴力防止法が施行されました。
それから何度か法改正が行われましたが
内閣府の男女共同参加のホームページによりますと、
配偶者からの暴力相談状況は右肩上がりになっています。
平成14年の35,943件。
令和1年では119,276件。
モラルハラスメント(モラハラ)と言う言葉は
一般的に認知されるようになりましたが
これは夫婦関係のご相談にもよく登場する言葉です。
DVとは親密関係にある中で暴力を振るわれることをさしますが、
この【暴力】に含まれるものとしては、
身体的な暴力の他に
性的暴力、
言葉での暴力、
経済的・社会的暴力、
そして無視も含まれます。
「権力と支配の車輪」の図
出典：エレン・ペンス、マイケル・ペイマー著
『暴力男性の教育プログラムードゥールース・モデル』(誠信書房 2004年)
画像 NPO法人全国女性シェルターネットより
https://nwsnet.or.jp/ja/allcategories-ja-jp/115-non/155-dvtoha0-jp.html?start=2
最近はインターネットの状況普及により、
モラハラの概念が知れ渡り
「自分は加害者だった」
「これも暴力だったんだ」
と気がつく人が増えていて、
加害者自ら行動を改めようとカウンセリングを受けています。
DVをする加害者側の多くは子供の頃に
父親から母親に対するDVを目撃しています。
子供の頃は『あんな父親のようになりたくない』と思っていても、
自分が大人になって男女のお付き合いが始まり
異性と親密な関係を持つようになると
『父親の気持ちもわかるな』と言うように、
父親と母親、双方の気持ちを心の中にもつようになります。
ただし、両親の暴力を目撃したからといって
全ての子供が加害者になるわけではありません。
心のケアがなされていたら、加害者にはならなくなります。
心に向き合うことって大切ですよね。
そしてDVの目撃は子供にとって心理的虐待をもたらします。
被害者であり加害者である両親は
子どもにとっては情緒的な強いつながりを持っている人達だからです。
DVを目撃すると子供の心には
混乱や不安が終わらないような感覚をもたらします。
例えば
『家庭は危険な場所』、
『誰もわたしを守ってくれない』だったり、
『私がいけなかったのかもしれない』という
自責の念に駆られたり、
『暴力＝愛情』だと思って混乱したりします。
家庭のことを外に言えず、
独りぼっち(孤立)状態を生み出したりもします。
こうした影響はすぐに出るわけではなく、
後々に大きな影響が出てくると言われていて
同じ環境下にいた兄弟姉妹でも影響の差があるものなので
本人も気がつきにくいかもしれません。
ただ、こうした情報を見て、
自分はそういう影響があって育ったんだと知った場合は
これから心のケアをするとよいでしょうし
現在、あなたたち夫婦がDV被害者・加害者になっているのであれば
子どもは自分達を見ているのだと知り、周りの人の力を借りながら
健全なパートナー関係を目指していけばよいと思います。
目指すのはこちらの平等な車輪です。
威圧的でない態度。
尊敬。
信頼と支援。
交渉と公平性。
経済的なパートナーシップ。
誠実さ、説明責任。
親としての責任。
そして親としての責任の分かち合い。
私も幼少期、親の喧嘩や嫁姑バトルを見ていたので
孤立感や家庭に対する緊張感、不安な感覚を持っていましたが
こういった感覚も心のケアをしていくうちに
自然となくなっていきました。
よい夫や妻であろうとすると、
子供もその姿を見て育つので
自然とよい父親、母親にもなります。
自分が加害者だと気がついていない場合もあるのですが
怒りや不満を溜め込んでいると加害者になりやすいです。
『見覚えがある…』
そう思うならば
あなたが困っていることやイライラすることを
爆発する前に人に話してみてください。
あなたがホッとして幸せになることが周りを幸せにします。
まとめ
・モラルハラスメントは夫婦間で登場する。
・夫婦関係を子供が見ている。
・モラハラ、DVは子供の心理的虐待になる。
・DV被害者、DV加害者、目撃した子供、それぞれ心のケアをする。
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